出会いと別れの春でしたが、いかがお過ごしでしょうか。外もだんだん暖かくなってきて、遊び方も次第に大胆になる方もいるかと思います。今日は朝まで遊んじゃおう。なんて日もあれば、今日は終電で帰るね!!という日もあったり、みんな様々。さて、絶対に帰らなくてはいけない日に、なぜか、フワッと終電を逃した経験はありませんでしょうか。帰る気満々でホームに向かうと〇〇方面終了の文字。絶望。延長戦スタート...。
今回は"意図せず終電を逃した"時に聴きたい音楽をピックアップ。
① A.R. Wilson - Old Gold (LP)
Andrasとして<Beats In Space>から風変わりなダンスミュージックもリリースしているオーストラリア・メルボルンのプロデューサーAndrew Wilsonの作品。「なぜか、フワッと終電を逃す」という、かなりぼんやりしてしまっている感じにフィットする優しく奇妙なアコースティック風サウンド。天気にもよりますが、徒歩で1-2時間圏内であれば歩きでの帰宅がおすすめの一枚。1曲目"Cinnamon Nugget"が、約40秒の短尺ながら、シームレスに半・非現実の世界へと案内してくれます。終始切なさと優しさを帯びた楽曲が続き、時々「今日はこれを聴いて歩く日だったんだ」と思わせてくれそうなほどに程よいテンション。「やむおを得ず歩いている」ということを忘れて、夜の散歩をうっかり気取っちゃいそうです。
こちらは圧倒的なRPG感の作品。注目の新興レーベル<sound as language>から。そもそもがアーティストのElle BulgerによるテキストベースのRPGゲーム的作品のために制作されているということもあり、帰路に何が起ころうとも対応できそうな雰囲気です。真面目に帰宅しても仕方ないので寄り道必須。人がいたら必ず話しかける、水溜りがあれば入る、猫がいたら追いかける、落ちているものは拾う。最終的には宿にチェックイン。翌朝は装備を整えて街を出そう。なんの話でしたっけ。、、、
③ Natural Information Society with Evan Parker - Descension (Out of Our Constrictions) (CD)
マルチ奏者Joshua Abramsによって立ち上げられた音楽集団Natural Information Societyが、フリージャズ界の重鎮サックス奏者Evan Parkerと共演した際のライヴ音源。何と言っても75分間演奏しっぱなしで、帰り道を応援してくれている圧倒的な"一人じゃない感"に背中を押してもらいながら帰宅することができそうな点がポイント。どんな天気でも駆け足で帰りたい一枚。帰宅の頃には、服が一枚脱げている、色々破けている、靴がない、みたいなことになっていてもおかしくなさそうです。
予期せぬハプニングも聴く音楽や考え方では楽しめるかもしれません。ぜひ、日々の参考にしていただければと思います。