Fishy Tails
Format: LP
Label: conatala
Cat No: conatala-003
英国サウサンプトン出身の音楽家、The Dead Goldfish EnsembleことSteve Hartwellは、Kraftwerk『Autobahn』から着想を得て、1983年からシーケンサーや元祖音楽制作コンピューターともいえるMSXコンピューターを使用した音楽制作を開始。Steve Reich、Philip Glassに代表するミニマル・ミュージックを自宅の録音環境に持ち込み、空想世界に迷い込むような不思議なポリリズム、どこか人懐っこくトイフルなメロディたちが無邪気に跳ねる箱庭スケールのホームメイド・ミュージックを1993年にかけて大量に制作した。
その背景には、1980年代初頭から1990年代初頭にかけて、インディペンデントなレーベルや自主出版で作品を制作していたDIY音楽家たちにとって、カセットテープは安価で制作でき、且つ自宅で増産できる最も手軽な手段だった当時のインディペンデントシーンの制作環境もうかがえる。ヨーロッパやアメリカ、そして日本を中心に様々なレーベルがコンピレーションへの曲の提供を募った結果、膨大な数のカセットテープ作品が世界中で制作された。個人的な連絡先を通じて仲間を集め地域性を反映させたレーベルは、独自のインディペンデントシーンやコミュニティの形成に繋がり、国と国を越境して音源を集めたレーベルは、世界中に散らばる才能ある作家たちを世に紹介することに大きく貢献した。
自主レーベルPeeved Recordsから数本のカセットテープ作品を発表。さらにHome Produkt(ベルギー)、Insane Music(ベルギー)、EE Tapes(ベルギー)、IRRE Tapes(ドイツ)、Tonspur Tapes(ドイツ)等の、世界各地の宅録作家たちを紹介していたレーベルのコンピレーション作品に数多くの曲を提供。
本作は、その期間に発表されたオリジナルの作品群から選曲/編集した、The Dead Goldfish Ensembleによるアルバムとしては初めてのレコード作品となる。
ジャケットデザインはSteve Hartwell本人によるGoldfishのモチーフを基に、横山雄が構築。オリジナル・マスター・テープからデジタル化された音源を大城真がマスタリング。
The Dead Goldfish Ensembleの新作『Polonia』の音源データ入手先のURLが掲載されたインサートを封入。